芸能事務所・モンスターファームが主催する初の舞台『遺音』が東京・下北沢「劇」小劇場にて昨日開幕。公演に先立ち行われたゲネプロの様子をお届けします。
※ネタバレが含まれますので、ご注意ください。
戦後80年を迎える2025年。命の大切さを伝える作品
本作は、戦時下の日本を舞台に特攻に備える若者たちの姿が描かれます。
モンスターファーム所属の役者とゲストを迎え、戦時中の人物の心情がリアルに届けられます。
~あらすじ~
戦時下の日本。特攻に備える若者たち。
明日もわからぬ日々の中でも、彼らは支え合い、笑い合う。
そんな彼らを見守る浅野千代は、今日も日常を記録する。
そして、いつかどこかの海岸沿い。
短くも熱い時間を閉じ込めたオルゴールがゆっくりと回りはじめる。
戦時下の日本を舞台に、人間の「生きる力」を問う
ー舞台は戦時中の日本。
第二次大戦末期、ますます戦争は激しくなるばかり。敗戦を重ねた日本軍が反撃として行ったのが「特攻」でした。その方法とは、軍用機や小型艇に搭乗員を乗せたまま、敵艦に体当たりする攻撃。そして乗務員の対象は、若者ばかりだったのです。
本作は、特攻に備える永田時生(演・阿部大地さん)、水島寛太(演・高士幸也さん)、本条恒彦(演・潮見洸太さん)、立木潤平(演・琉翔さん)の4人。そして、誰を特攻させるかを決める「特攻命令書」を作成する笠谷啓(演・新里宏太さん)の姿が描かれます。
ーとある日。
上官である岡部(演・冨田佳孝さん)から特攻に備える4人に出撃命令が下ります。
「明日はみんなの希望になるんだ!」と告げられ、誇らしげに胸を張る彼らでしたが、心のどこかで恐怖の気持ちが芽生えていました。
彼らは最後の宴をしようと、夕方に浅野千代(演・伊藤萌々香 さん)の店に集まることにします。
ー千代のお店
千代は彼らの姿をいつも優しく見守っていました。それは千代以外にも寛太の妻、水島紗子(演・磯部佑香さん)、潤平の妹、立木愛実(演・東慧依さん)も同様。
宴会の前に3人が集まると、彼らがいなくなってしまうことへの不安や寂しさがこみ上げ、感情が抑えきれなくなってしまうのでした。
ー特攻が抱える痛切な思い
特攻に向かう4人も、「日本のため、未来のため」と思いながらも複雑な感情を抱いていました。
また啓もやりきれない気持ちが…… それもそのはず、友人である4人の名前を書いたのは啓だったのです。気持ちの整理がつかない啓は、上官・辻本(演・倖聖郎さん)に向かって反抗的な態度を取り始めます。
彼らのぶつけようのない感情が露わになり、軋轢が生じていくのでした。
御国のためという大義名分。
しかし大事な命を、そして大事な周りの人々を失うことの不条理さ。
「下北沢 劇・小劇場」の空間だからこそ感じられる演者の表情・感情の動き。
彼らの生き様、そして「命の大切さ」を感じられる作品となっています。
ぜひ彼らの生きた証を、あなたの目でお確かめください。
▽チケット現在販売中
公演概要
『遺音』
明日、僕らは向こうへ旅立つ
そう考えている今も、風が心地よく首筋を撫でる。今日くらい笑って過ごそうじゃないか。僕らは確かに生きているのだから。
【日時】全6公演 2025年1月9(木)~12日(日)
9日(木)18:00 ~
10日(金)13:00 ~/18:00 ~
11日(土)13:00 ~/18:00 ~
12日(日)13:00 ~
【劇場】 下北沢 劇・小劇場 〒155-0031東京都世田谷区北沢2-6-6
【出演】 伊藤萌々香 阿部大地 新里宏太 高士幸也 潮見洸太 琉翔 東慧依 磯部佑香 倖聖郎 冨田佳孝
【注意事項】
・やむを得ない事情により、公演情報に変更が生じる場合があります
・発熱や体調不良が認められた際は、ご入場をお断りさせて頂く場合がございます
以上、予めご了承ください。
【スタッフ】
演出:保母海里風
脚本:坪田実澪 保母海里風
舞台監督:古谷治男
照明:緒方稔記
音響:齋田吾朗
音楽制作:坪田実澪
宣伝美術:botamochi
衣裳:日高ともえ
プロデューサー:平木秀明
制作:冨田佳孝 宮本杏子
製作:株式会社モンスターファーム
協力:株式会社テンカトル・株式会社モンスターファーム・舞台芸術学院
特設ページ:https://www.monsterfarm-official.com/event
事務所公式Xアカウント:https://x.com/monsterfarm_Inc