11 月 8 日より東京・天王洲 銀河劇場、大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演するミュージカル「NO.6」。先日、公開稽古取材会が行われましたので、その様子をオフィシャル写真とレポートでお届けいたします。
また、11 月 1 日より、本作の上演を記念して、東京・紀伊國屋書店(新宿本店)と、大阪・MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店にて、書店フェアが開催決定!
取材会レポート
あさのあつこの大人気小説を舞台化する、ミュージカル「NO.6」。
11 月 8 日に開幕する本作の公開稽古取材会が、10 月某日、都内スタジオにて行われた。
冒頭、プロデューサーからの挨拶にて「まだ稽古が始まって数日、セットもない中ですが、現段階での稽古の様子をご覧ください」とのアナウンスがあった。
キャストらには緊張している様子も見られつつ、稽古場は非常に和やかな雰囲気で、脚本・演出・音楽の浅井さやか(One on One)がキャストに声を掛け、稽古がスタートする。
まず披露されたのは、物語の序盤、紫苑の 12 歳の誕生日に彼の部屋にネズミが飛び込み、2 人が出会うというシーン。
嵐が近づく中、母・火藍から閉めるように言われた窓を、紫苑がついに開けてしまうまでの心のざわめきを、紫苑役・今牧輝琉の芝居、アンサンブルの歌と身体表現で見せていく。
そこへ突如現れ、部屋に飛び込むなり紫苑に掴みかかるネズミ。
しかし紫苑は動揺もせず、インターホン越しの火藍の問いに平然と嘘をつき、怪我をしたネズミの手当てをしてやる。
今牧が演じる紫苑には、あどけない少年の無邪気さと芯の強さがあり、古田一紀が演じるネズミには、スラム地区の人間としての獰猛さの奥に、滲み出る優美さがある。
エリートでありながら型にはまらず、物怖じも差別もしない紫苑にネズミが心を開いていく様が、短いシーンの中に描かれていた。
続いては、紫苑の母・火藍と、紫苑に想いを寄せる少女、沙布の歌唱シーン。
ここでは前のシーンよりも物語が進んでおり、殺人事件の容疑をかけられた紫苑がネズミと共に西ブロックへと逃亡した後、行方のわからない紫苑に逢いに行こうとする沙布、信じて待とうとする火藍がそれぞれの想いを歌う。
火藍役の入絵加奈子は、ミュージカル「ミス・サイゴン」の日本初演で主演・キム役を射止めて以来、数々の名作に出演した他、当時まだ黎明期であった 2.5 次元ミュージカルとの縁も深い。
沙布役の熊谷彩春は、ミュージカル「レ・ミゼラブル」コゼット役に史上最年少で抜擢されるなど、入絵の背中を追うようにして舞台への出演を重ねている期待の若手だ。
温かく包み込むような歌声に紫苑への愛情を感じさせる入絵と、透き通る歌声に紫苑への純粋な想いを乗せる熊谷のデュエットが胸に響いた。
ラストには、キャスト全員が横並びとなって、オープニング曲を披露。
この曲の中で、紫苑がネズミに連れられて「NO.6」を抜け出し、新たな世界へと踏み出すシーンも描かれており、同時進行で人々が歌う歌詞には、動き出すドラマの先を示唆するような言葉が散りばめられている。
音楽・歌詞はいずれも浅井さやかによるもので、不安と期待、冷たさと温かさといった相反する要素を組み入れながら、美しいメロディーを疾走感のあるサウンドが導く印象的な楽曲となっている。
まだ動きの付いていない状態ではあったが、力強い歌声とハーモニーの美しさに圧倒され、舞台上でどのようなシーンとなるか、期待が高まった。
公開稽古の後には、メインキャストが集まり、質疑応答が行われた。
今牧、古田への「お互いの印象は最初と変わったか」という質問に対し、今牧は「最初会ったときはちょっと怖かったんです。でも一緒に稽古していく中で、何て楽しい方なんだろう!と思って、もう今ではぜんぜん恐怖心ないです!(笑)」と返答し、周囲のキャストを笑わせる。
古田は今牧について「いい意味で最初と印象が変わらないんですよ、最初に見たときに、こういう子なんだろうな、と感じたことがそのまま持続している感じです」と語った。
今回、若手を支える役どころで登場する、火藍役の入絵加奈子と力河役の吉野圭吾には、「円熟のミュージカル俳優から見たこのカンパニーの魅力は?」という質問が。
吉野は「作品を作るぞ!っていう時のみんなの集中力がすごくて、いい意味で、怖いんです!でも僕も頑張ろう!ってそこに加わっています」と茶目っ気たっぷり。
また、「浅井さんがすごい熱意があって、それに絶対応えるぞ!っていう、熱い稽古場ですね」と答えた。
入絵は「皆さんが台本を iPad で見ていてびっくり!」と世代間ギャップについて触れた後、「アンサンブルの方たちも含めて皆さんものすごく熱心で、稽古のときから 100%のエネルギーでぶつかってくるので、その情熱たるや本当に素晴らしいと思っています」と笑顔を見せた。
作品と自分の演じる役の見どころについては、イヌカシ役の日暮誠志朗が「イヌカシが、ネズミと紫苑を力河のもとへ連れていくところと、イヌカシの登場のところも見ていただきたいです」とアピールし、白衣の男役の藤原祐規は「すごく嫌な人間の役をやらせていただきますが、思う存分に嫌っていただけるように頑張りたいと思っているので、注目していただけたら嬉しいです」と悪役ならではの意気込み。
沙布役の熊谷彩春は「小学生のときに図書室で「NO.6」の小説を手に取って、すごくハマって読んでいた」とのこと、また「いつの時代に読んでもすごく胸に刺さる普遍的なテーマがある物語だと思ったので、それを今回ミュージカルとしてお客様にお届けすることでどんな風に受け取っていただけるんだろうと、ワクワクしています」と答え、楊眠役の泰江和明は、「強いメッセージ性があって、紫苑とネズミの話なのかと思いきや、都市の話だったり、たくさんの事が伝わってくる。それを浅井さんの脚本・演出で、今この時代に舞台化することにも、色々な意味があるのかなと思っています」と思いを語った。
最後に、今牧が「浅井さんが、お客様が前のめりになって観るようなものにしたいってことをおっしゃったんですが、本当にその通りだなと思いました。お越しくださる皆様が前のめりになるように、頑張って作品を作ってまいります!」と観客へのメッセージを伝えると、古田は「身体が本当に前のめりになったら後ろや隣のお客様にご迷惑なので、心を前のめりにってことですね」と、笑いと共にフォローを入れつつ、「作品に流れているテーマや、伝えたいメッセージはすごく重いものなんですけども、自分たちが全てのシーンを一生懸命やることで、最終的に『なんか楽しかったな』って思ってもらえるような作品にしたいと思っています」と答えた。
終始笑いに溢れ、今牧・古田を中心とした様々な世代の個性豊かなキャストを浅井が率いる、ミュージカル「NO.6」カンパニーの魅力が溢れる取材会となった。
ここからどう練り上がっていくのか、11 月 8 日の開幕に多いに期待したい。
ミュージカル「NO.6」 書店フェア開催決定!
フェア実施中の書店にて「NO.6」原作小説の文庫本をご購入のお客様に、ミュージカル版のビジュアルを使用した特典ポストカードを進呈いたします。
また、各店舗のミュージカル「NO.6」コーナーでは、ポスターパネル等の掲示や、モニターでの PV・コメント放映、チラシの設置を予定しております。
■期間
11 月 1 日(金)~11 月 24 日(日)
■対象書店・コーナー展示内容
【東京】紀伊国屋書店 新宿本店
公演 PV・コメント動画放映/今牧さん・古田さんサイン入りオフショット展示/チラシ設置
【大阪】MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店
今牧さん・古田さんサイン入りポスターパネル展示/チラシ設置
※展示棚入れ替え作業等の都合により、展示期間・展示内容は変更となる場合がございます。
■特典進呈について
「NO.6」講談社 YA!ENTERTAINMENT 文庫本 #1~#9 のうち、いずれか 1 冊のお買い上げごとに、ミュージカル「NO.6」紫苑&ネズミの 2 ショット(未公開カット)を使用したポストカード(非売品)を 1 枚進呈いたします。
※特典の絵柄は、1店舗あたり 1 種、計 2 種ございます。
※特典のお渡しは先着順となり、ご用意数に達した場合は終了とさせていただきます。
あらすじ
再会を必ず。
人類が科学の粋を集めて作り上げた理想都市“NO.6”の高級住宅街・クロノスで暮らす紫苑は、幼い頃からその優秀さを認められ将来を約束されたエリートだ。
12 歳の誕生日。いつもとは違う嵐の到来に、紫苑は言葉にできない胸のざわめきを覚えていた。思わず開け放つ窓。すると突然びしょぬれの少年が飛び込んできた。
矯正施設から脱走した犯罪者と知りながら、ネズミと名乗る彼を介抱する紫苑だったが、
翌朝、彼は再び逃走者となり紫苑の前から姿を消していた。
4 年後。紫苑はネズミを匿ったことがきっかけでクロノスを追いやられ、母親と共に下町・ロストタウンで暮らしていた。ある日、紫苑の働く公園内で変死体が発見される。疑問を抱き当局へ不信感を募らせていた紫苑は、事件の容疑者として連行されそうになるが…すんでのところで救出に飛び出したのは、あの日出会ったネズミだった!
全てを捨てて西ブロックに逃げ込んだ紫苑に、そこでネズミは紫苑の知らなかった本当の“NO.6”の姿を語る。
偶然か運命か。互いに命を助け合うことになったふたりに過酷な「真実」が待ち受ける。
不器用だが強く繋いだ手と手が向かう先にあったものとは──
原作「NO.6」作品情報
「NO.6」は、ベストセラー小説「バッテリー」や『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズなど、10 代の少年少女の人間関係や感情を濃密に描く作品で人気を集めている、あさのあつこによる日本の近未来 SF、ディストピア小説。
小説のコミカライズが 2011~2014 年に連載された他、2011 年にはテレビアニメも放送され、今も世界中の熱狂的な読者に支持され続けている。
公演概要
タイトル ミュージカル「NO.6」
公演期間
東京:2024年11月8日(金)~17日(日)天王洲 銀河劇場
大阪:2024年11月22日(金)~24日(日)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
原作 あさのあつこ「NO.6」(講談社)
脚本・演出・音楽 浅井さやか(One on One)
ステージング・振付 當間里美
キャスト
紫苑 今牧輝琉
ネズミ 古田一紀
沙布 熊谷彩春
イヌカシ 日暮誠志朗
楊眠 泰江和明
白衣の男 藤原祐規
<アンサンブル>
元榮菜摘 山﨑感音/池田航汰 石野滉貴 田代 明 松島朱里 村田一紗 山川大智
火藍 入絵加奈子
力河 吉野圭吾
チケット料金 9,800 円(全席指定/税込)
一般発売 ローソンチケット:https://l-tike.com/musical-no6/ (L コード:36066)
銀河劇場チケットセンター:https://www.gingeki.jp ※東京公演のみ
※公演日程・チケット販売スケジュールの詳細は、公式サイトをご確認ください。
【公式サイト】 https://www.nelke.co.jp/stage/no6_musical/
【公式 X(旧 Twitter)】 @no6_musical
本公演は、文化庁による「劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業」対象公演です。
18歳以下の908名様を無料ご招待、同伴者は半額の特別価格でご観劇いただけます。詳細は公式サイトをご確認ください。
<子供舞台芸術鑑賞体験支援事業とは>
子供たちが劇場・音楽堂等において本格的な実演芸術を鑑賞・体験等をする機会を提供する取組を支援することにより、子供たちの豊かな人間性の涵養を図るとともに、将来の文化芸術の担い手や観客育成に資することを目的とします。
©あさのあつこ・講談社/ミュージカル「NO.6」製作委員会