本日1月20日(火)より、Asterism⁂ vol,11「THE LAST SONG」がTACCS1179にて開幕!
イケメン図鑑では、開幕を目前に控え、作品が形づくられていく稽古場の様子を取材。その様子をお届けします。
廃ビルでの爆発に巻き込まれた5人の青年と2人の警察官
あらすじ
大学卒業を控えた青年5人が集まった、いつもの廃ビル。
突然の爆発により閉じ込められた彼らの前に、2人の警察官が姿を現す。
外界から切り離された密室で、7人は“何が起きたのか”を探りながら、互いの言葉と沈黙の奥に揺れるものと向き合っていく。
助けが来ない時間の中で浮かび上がるのは、事件の輪郭か、それとも自分たちの内側か。
そして彼らがたどり着く“最後の歌(ラストソング)”とは——。
演劇プロデュースユニット Asterism⁂ (アステリズム)の次回公演は、2017年に上演したAsterism⁂ vol,04「The Last Song」の再演となる、Asterism⁂ vol,11「THE LAST SONG」。
5人の大学生と2人の警察官が廃ビルでの爆発に巻き込まれ、閉じ込められたところから物語は始まります。
稽古場レポート
※ネタバレを含みますので、ご注意ください。
1月某日。
Wキャストも含め出演者全員が集まり、稽古が始まった。
まず行われたのは、物語の中盤のシーン。
主人公である橘 瑞希(演:塚本凌生さん)、望月 仁(演:田中朝陽さん)、月島 尊(演:坂田大夢さん)、浅井奈緒也(演:湊 丈瑠さん/ 染矢凌佑さん)、甲斐稜平(演:奥村等士さん/松村 優さん)の5人の大学生が廃ビルでの爆発に巻き込まれた後の物語の根幹に関わる重要な場面だ。この場面では、桐生 慧(演:前田隆太朗さん)と久世 晴(演:砂川脩弥さん)の2人の警察官と大学生5人の揺さぶりをかけ合うような緊迫した対話が続く。


大学生たちのなかでも特に、湊さんと染矢さん演じる奈緒也が物語の展開を牽引する重要なポジションとなっている。
奈緒也を中心に大学生が、警察官2人の素性を引き出そうと、鋭い質問を何度も投げかける。この短い時間で言葉の応酬が続くのだが、ここで言葉に詰まったり、演技が止まったりすると、全体の流れも止まってしまう。
ここで演出の樋口さんから湊さんに「途中で気持ちが途切れないように、1文ずつに感情を込めるよりも、1小節に対して感情を込めるように。」と伝えられた。
このやり取りが物語の核心に迫っていくため、奈緒也のセリフ回しが重要なことだと感じられる。

今回の取材の際に奈緒也役を稽古していたのは湊さんだが、休憩時間にWキャストである染矢さんとともに奈緒也についての読み合わせが行われ、それぞれが役に対して真剣に向き合う姿もみられた。
Asterism⁂作品といえば、と言っても過言ではない長い台詞の言い回しが今回もある。
坂田さんが演じる尊の台詞では古代ギリシャの哲学者プラトンの「洞窟の比喩」を説明する。
「地下の洞窟に、囚人たちがいる──彼らは子どもの頃から、手足も首も縛られ、ただ目の前の壁だけを見て生きてきた。背後には火があり、その光で操り人形や物の影が壁に映し出されている。だが……」と続くのだが、実は彼らの状況を表している。重要な台詞であるからこそ、坂田さんは休憩中も何度も台詞を練習している姿がみられた。

稽古が始まって間もない時期に取材したため、その他の場面でも、どうしても言葉が詰まったり、台詞が出てこなかったりするときがあった。そんなときは、稽古を見学しているWキャストの松村さん、染矢さんが裏からフォローしていたのが印象的で、今回のカンパニー全員で舞台を創り上げていることがうかがえた。
また稜平役の奥村さんに樋口さんから「伝え方」について指摘が入る。
このシーンでは稜平が独り言のように相槌を打つ台詞が多い。その後に他のキャストの台詞が入ってくることも多く、稽古中に久世を演じる砂川さんと台詞が被ってしまうことがあった。立ち位置的にも上手にいる奥村さんと下手にいる砂川さんでは声が聞こえづらい。ただ、この相槌を大きくしてしまうと、独り言ではないオーバーなリアクションになるため、樋口さんからは「相手の方向をみる」方法が提示された。そうすれば稜平の感情はそのまま、久世の台詞と被らない。この方法を取り入れてから、被ることもなくスムーズに稽古が進んでいった。
声の大きさや感情以外での相手への伝え方。伝え方一つとってもいろんな手法があることを改めて感じた。

このシーンの通しが終わり、樋口さんから全体の総括が行われた。
キャストが考える役の感情が合っているからこそ、もう少し「緊迫感」がほしいと要望が出た。その「緊迫感」を生むためには、台詞の速度を上げ、全体にスピード感を持たせる必要がある。
警察官の2人には、「全体的にもう少し圧力がほしい」というオーダーが入る。このシーンは先ほど伝えたように、奈緒也を中心とした大学生と舌戦が繰り広げられるため、取り調べのときの尋問のようなピリピリした空気感が求められた。
また仁役の田中さんは、台詞の言い回しの確認を行っていた。物語の途中に「だから!」と強い言葉から始まる部分があるのだが、あまり強く言ってしまうと、そこまでの芝居を止めてしまう。たった一言の「だから」にも作品の流れを変える力があるのだと感じた。
休憩を挟み、次の稽古は物語の冒頭シーンに戻る。稜平役は松村さんに代わって進んだ。
大学生5人が廃ビルで目を覚まし、閉じ込められたことに気づいてから、桐生と久世の2人の警察官に出会い、爆発前に何があったかを回想するシーンまでを行った。

先ほどまでの中盤のシーンとは打って変わって台詞も短いものが多く、まだこの段階では、大学生と警察官の心理戦はなく、現状把握や大学生の人物像にフォーカスがあたる。
特に5人が目を覚まし状況を理解するまでのシーンや、オンラインゲームをするシーンでは大学生らしいノリで進んでいくので、見ているだけで楽しい場面である。
しかしその後、一転して瑞希が「このままずっと一緒にいられたらいいのに……」と本音をもらす場面では、学校を卒業することで簡単に友達に会えなくなることの寂しさや、子どもらしくどこか拗ねているような、そんな切なさを感じるシーンでもあった。塚本さんの台詞の緩急にも注目したい。


また印象的だったのは、桐生と久世の演じ分けだ。というのもこのシーンでは、2人はまだ警察官であることは明かされていない。ここでは警察官ではなく、どちらかといえば陽気なお兄さんにしかみえない。
だが奈緒也に指摘されその正体が明かされた瞬間、警察官としての空気感をまとう。そこに至るまでの2人はまるで別人のようであった。
休憩中、前田さんと砂川さんは「あれくらい別人に見えるように演じて大丈夫か?」と樋口さんに確認し、人物像に対しての擦り合わせを行っていた。
舞台「鬼神の影法師」シリーズでは、主人と式神を演じていた2人。今回の作品でもそのチームワークに注目だ。


最後にオープニングのダンスシーンの稽古が始まった。
約3分間にも及ぶ激しいダンスを、全部で3回通して行われた。この日、東京は最高気温10度と冷える日であったが、踊り終えたキャスト陣には汗が見られ、半袖になる人も。それだけ全力で表現し、ストーリーに入る前に観客を惹きつけるダンスも今回の見どころであろう。


廃ビルでの爆発に巻き込まれた5人の大学生と2人の警察官。
彼らが奏でる「ラストソング」を目撃するために、TACCS1179に足を運んでみてはどうだろうか。





公演概要
Asterism⁂ vol,11「THE LAST SONG」
◆公演期間:2026年1月20日(火)〜1月27日(火)
◆劇場:TACCS1179
〒161-0034 東京都新宿区上落合1-17-9
◆演出:樋口夢祈
◆脚本:木村純子
◆出演
塚本凌生
田中朝陽
坂田大夢
湊 丈瑠/染矢凌佑
奥村等士/松村 優
前田隆太朗
砂川脩弥
◆タイムテーブル 全14公演
1月
20日(火) 19:00♠
21日(水) 19:00♢
22日(木) 19:00♠
23日(金) 14:00♢/19:00♢
24日(土) 13:00♥/16:00♥/19:00♢
25日(日) 13:00♧/17:00♧
26日(月) 14:00♠/19:00♠
27日(火) 13:00♠/17:00♢
※♧…湊 丈瑠✕奥村等士 ♢…湊 丈瑠✕松村 優 ♠…染矢凌佑✕奥村等士 ♥…染矢凌佑✕松村 優
※開場は開演の30分前です。
※上演時間は約60分を予定しております。
※日替わりのアフターイベント(約15分~30分)を予定しております。
※未就学児童のご入場はご遠慮頂いております。
※湊さん、染矢さんの出演回に変更はございません。
◆ STAFF
脚本:木村純子
演出:樋口夢祈
舞台監督:ピーピーピーステージ
舞台美術:門馬雄太郎
音響:HARLY、山本一如
照明:火野坂きらり(ALOP)
演出助手:池野上咲月
振付:山中友太
ヘアメイク:茂木美緒・杉浦なおこ
撮影: 遠山高広
当日運営:松島瑞江(アンデム)
制作:大平沙加
キャスティング協力:神谷光
プロデューサー:木村純子
協力:AND LOUGH/エイベックス・マネジメント・エージェンシー/えりオフィス/クリオネ/ゴッドフィールドプロモーション/Pasture(五十音順)
企画・製作:スタービートエンターテイメント合同会社

