【開幕間近!】Asterism⁂ vol,10「NoLimit」稽古場レポート

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いよいよ、6月13日(金)にAsterism⁂ vol,10「NoLimit (ノーリミット)」が開幕! 前回は京山陽春さん、栗原航大さん、砂川脩弥さんのインタビューをお届けしましたが、今回は稽古の様子をお届けします。

目次

上演時間70分に凝縮された怒涛のストーリー展開

~あらすじ~

あの⽇から50年。最後の⼀⼈が⽬覚めたことで動き出す世界。失われた感覚、それでも消えない思い。

命とは魂なのか、それとも…

「痛み」を求め交差する7⼈の運命とは…。

ーーその答えはまだ誰も知らない。

演劇プロデュースユニット Asterism⁂ (アステリズム)の⼈気作「NoLimit (ノーリミット)」が再び上演。4回目となる今作では、豪華キャストで新たな「NoLimit」が創られていきます。ワンシチュエーションで70分という時間に凝縮されたストーリー展開をどのように創り上げられていくのか、稽古の様子をレポートいたします。

稽古場レポート

※ネタバレを含みますので、ご注意ください。

この日の稽古は出演者全員が集合し、物語の冒頭から中盤までを通して行われた。

主人公の圭吾(演・京山陽春さん)とその職場の同僚、瑛輔(演・中山優貴さん)、七央(演・野嵜豊さん)、 映八(演・栗原航大さん)、悠一(演・小椋涼介さん)、一悟(演・深澤悠斗さん)が、不運なことにバーベキューの帰り道で交通事故に遭ってしまう。そんな彼らを見守る病院の先生である結城俊介(演・砂川脩弥さん)。この7人で病院を舞台にワンシチュエーションでストーリーは展開されていく。

不幸な事故から50年、圭吾が目を覚ますところから物語は始まる。映八から「思い出せないかな?」と問われると、圭吾は「何も…」と返す。残念なことに圭吾には記憶がなかった。

ここで「何も…」の言い方について、演出の樋口さんからの指導が入った。圭吾は記憶をなくしているが思い出そうとしているため、考えて悩みながら言うことを意識するように伝えられた。圭吾役の京山さんはたった一言でも冒頭の重要な場面であることを理解しているからこそ、樋口さんの言葉を台本に記していた。

また目覚めた圭吾と先生である結城が最初に会うシーンでは、結城役の砂川さんに感情の入れ方について指導が入る。ここでは「起きたか」の台詞の重要性について語られ、二つの方法が提示された。一つ目のやり方として、「起きたか!」と自ら圭吾に駆け寄る方法。二つ目は歩きながら「起きたか」と抑えめな表現をし、圭吾から結城の方を向かせる方法。50年も目を覚まさなかった圭吾に対して、結城はどのアプローチで接するのか、本番で砂川さんがどのように演じるのか期待が高まる。

これ以外の場面でも台詞の言い回しには力を入れている様子がうかがえた。

全体を通して「台詞を奥で言っている」と何回か指摘があった。これがどういうことか樋口さんは再現してくれた。みなさんも実際に発声するか、イメージしてほしい。たとえば「みなさんと僕」を発声する場合、そのままストレートに発声する人が多いだろう。一方で「皆さんと僕?」と後ろに疑問符がつくと、“僕”の発声が先ほどと異なり、少し喉の奥にあるような発声になった人が多いのではないだろうか。この「僕?」の発声のような言い方を「台詞を奥で言う」ことだと。もちろんこの発声を行う場合もあるが、すべての台詞がこの発声になってしまうと観客からは聞きづらいものになってしまう。この発声方法はクセになっていることが多く、根本的な発声方法から変えて、正面にお客様に言葉を届ける方法をレクチャーしていた。息遣いは小劇場ではかなり意識したいポイントだ。

圭吾が目を覚ましてからは病院内での日常パートに入る。病室でUNOで遊ぶ七央、映八、悠一。それぞれを演じる野嵜さん、栗原さん、小椋さんはアドリブも入れつつ、楽しそうな雰囲気を出していた。しかしここでも全体になじむように、UNOパートを調整するよう指摘が入る。本作は“生”についても深く考えさせられる内容になっているため、日常パートとのバランスが重要だ。確かにここで日常パートが強く出すぎると、全体のバランスが崩れてしまうので、調整は難しい作業なのだと感じた。

Asterism⁂作品を観たことのある人なら想像がついているかと思うが、今回も難関の長台詞が作品に多数散りばめられている。それを今回務めるのが一悟役の深澤さんだ。

「次のニュースです。総務省情報通信政策研究所は20日人工知能AIを用いたネットワークシステムの社会・経済への影響や課題を検討する会議の報告書をまとめました……」と続く文章をスラスラと発していた。しかし途中でつまってしまうこともあったが、その度に台本を何度も見返し、繰り返しつぶやく深澤さんの役に対する真摯な姿勢がみられた。

いつも傍で圭吾を支える瑛輔を演じる中山さんには、本人のクセを活かしたアドバイスが。台詞をもっとなじむように伝えてほしいとオーダーし、圭吾に向かって話すときに正面ではなく、座って横向きにしゃべるほうが良いのではないかと、感情をうまく乗せる方法を一緒に模索していた。台詞だけではなく舞台の立ち位置の重要性についても、指導が入った。

別のAsterism⁂作品の話になるが、以前イケメン図鑑でvol,08「THE JUDGMENT DAY」の稽古に伺ったことがある。そのときにも、ワンシチュエーションだからこその動きについて指導していたことを思い出した。今回も動きについてのレクチャーが入る。

場面の切り替わりがないため、一度動いてしまうと、次の動きが取れなくなってしまうことのリスクがある。たとえば、椅子に一度座ってしまうと不自然に立つことは難しい。横一列並んでいるところから外れて自分だけ前に出てしまうと、再びその列まで下がることは難しい。そのシーンでどんな立ち位置でいるのがベストなのかは、何度も稽古を通すことでしか見えてこないのだと感じた。

稽古の最後には樋口さんからそれぞれに言葉が贈られた。主演を務める京山さんには、50年間待ってくれる同僚がいる圭吾の人間性がどのような人なのか、そのほかの演者には50年経った彼らがどのように圭吾に接するのか、自分自身のなかに落とし込むようにと。

彼らがシアターグリーン Box in Box THEATERにてどのような作品を見せてくれるのか。ぜひ劇場に足を運んで、あなたの目で観てほしい。

チケット情報

◆チケット料⾦ 全席指定 ※全て税込価格

・前売券 6,800円

・当⽇券 7,300円

◆チケット発売⽇ ※カンフェティ

・⼀般(先着順)

 4⽉26⽇(⼟)AM12:00〜6⽉9⽇(⽉)19:00

 指定席引換券:6⽉9⽇(⽉)19:00〜公演前⽇23:00まで

【チケット購⼊ページ】

https://www.confetti-web.com/@/asterism_10

公演概要

「NoLimit (ノーリミット)」

【出演】

京⼭陽春

中⼭優貴 野嵜豊 栗原航⼤ ⼩椋涼介 深澤悠⽃

砂川脩弥

◆公演期間 2025年6⽉13⽇(⾦)〜22⽇(⽇)

◆劇場 シアターグリーン Box in Box THEATER

◆脚本 ⽊村純⼦ ◆演出 樋⼝夢祈

◆タイムテーブル:全15公演予定

6⽉

13⽇(⾦) 19:00

14⽇(⼟) 13:00/16:00/19:00

15⽇(⽇) 13:00/16:00

16⽇(⽉) 休演⽇

17⽇(⽕) 19:00

18⽇(⽔) 19:00

19⽇(⽊) 14:00

20⽇(⾦) 19:00

21⽇(⼟) 13:00/16:00/19:00

22⽇(⽇) 12:00/15:00

※各公演、開場は開演の 30 分前です。

※上演時間は、約70分を予定しております。

※⽇替わりのアフターイベント(約15分~30分)を予定しております。

公式HP https://asterism-info.jimdofree.com/vol-10-nolimit/

公式Twitter https://twitter.com/Asterisminfo

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