【ゲネプロレポート】甦夢 THEATRE「黄金仮面―masque doré―」

2024年10月11日（金）に天王洲 銀河劇場にて開幕した甦夢 THEATRE「黄金仮面 ―masque doré―」。江戸川乱歩生誕 130 年を迎える今年に、名作ミステリーを多彩な音楽で織りなす、 新たな『黄金仮面』が描かれます。公演に先駆け行われたゲネプロの様子をお届けします。

江戸川乱歩最大のヒット作の 1 つ『黄金仮面』が令和に甦る

江戸川乱歩生誕130年を迎える今年。令和に甦る新たな『黄金仮面』が上演されます。
『黄金仮面』は、 江戸川乱歩の代表作の一つである長編推理小説。長年にわたって愛されるこの作品は、2011年に演劇ユニット「*pnish*」のプロデュース公演として舞台化されるなどさまざまなメディアミックスが行われてきました。 名作ミステリーを多彩な音楽で織りなす、 新たな『黄金仮面』の様子を早速お伝えします。

甦夢 THEATRE「黄金仮面―masque doré―」ゲネプロレポート

ー静寂に包まれた夜の帝都・東京。

近代的なビルが建ち並ぶなか、とあるアパートの一角が燃えあがり、辺りは炎と煙に包まれます。

燃えた建物は、“明智小五郎探偵事務所”。
明智小五郎は数々の難事件を華麗に解決し、帝都に若き名探偵としてその名を轟かせていました。そんな明智ですが、宿命のライバルがいました。
その名は、“黄金仮面”。黄金色の仮面を被った怪人であり、美術品の数々を盗んでいるのでした。

この火災は、黄金仮面が策略したことなのか……
一向に事務所から姿を現さない明智は生きているのか……

明智と黄金仮面にはどんな因縁があったのか。
この騒動が起こる前、そこには二つの事件が……

ー奥日光、鷲尾侯爵家。

この日は、F国大使・ルージェール伯爵を招いての晩餐会。

晩餐会が始まりルージェール伯爵と鷲尾侯爵が談笑し、侯爵自慢の美術回廊へ向かいました。ルージェール伯爵は大変興味を持ち、その古美術を鑑賞しています。

そこに、一人の男が美術品の背後を横切ります。その怪しい男に鷲尾侯爵が声をかけますが、なぜかニヤニヤするだけ……
どうやらその男は侯爵家の女中が信仰している天理教の教師だったらしく、言葉を発さないまま立ち去ってしまいました。

すると次は、女性の悲鳴が……　
なんと悲しいことに鷲尾侯爵令嬢・美子が短剣で胸を刺され、亡くなっていました。

美術品の警備をするために晩餐会に参加していた波越警部が捜査にあたります。現場検証を進めるなか、容疑者として浮かび上がったのは、天理教の教師の木場。女中が警部の元へ木場を連れてきます。しかし、なんと木場の正体は“明智小五郎”だったのです。

明智は鷲尾侯爵に美術品の無事を尋ねます。鷲尾侯爵が美術回廊へ向かうと、そこには美術品があり、無事な様子。しかし、よくみると見事に贋物とすり替わっていたのでした。そして、贋物には「A・L」の文字が……　この一連の騒動は“黄金仮面”の仕業だったのです。

ー上野・東京産業博覧会／歌劇『黄金仮面』

奥日光の事件後。巷では２つの出来事が注目されていました。
上野で十年来の大博覧会、東京産業博覧会が開催され、秘蔵の真珠『志摩の女王』が展示されること。
もう一つは、その隣の建物で“黄金仮面”を題材とした歌劇『黄金仮面』が上演されること。

そんななか真珠王で知られる大富豪・大鳥喜三郎氏の執事が、明智の元へ訪れます。依頼の内容は「黄金仮面の始末」でした。それには訳が……　大鳥喜三郎氏の娘であり女優の不二子は、実は黄金仮面と恋仲であり、あろうことか歌劇『黄金仮面』に出演中だったのです。

歌劇『黄金仮面』の上演中。波越警部が舞台に上がり、中止を伝えます。
なんと隣の東京産業博覧会で『志摩の女王』が盗まれたのです。
そして、その犯人の姿は、金色の仮面を被り、金色のマントをつけているとのこと。

波越警部は舞台上にいる黄金仮面にマスクを外すように伝えます。しかし、演目は歌劇『黄金仮面』。舞台上に黄金仮面がいても不自然なことではありません。波越警部はマスクを剥ごうと近付きますが、黄金仮面は拳銃を出し抵抗します。

そこに明智が現れ、舞台上の黄金仮面が本物だと伝えます。対峙した明智と黄金仮面。ここから熾烈な戦いの火蓋が切られます。

この事件の後に探偵事務所の火災が起こり、明智の行方は誰にもわからないまま……

ーF国主宰によるエドガァ・ポオの『赤き死の仮面』を模したパーティー

明智が消息不明のなか、帝都ではF国主宰のパーティーが開かれようとしていました。
ホストは国宝「玉虫の厨子」に関わりのある川村雲山。そしてこのパーティーにはF国大使ルージェール伯爵も参加する予定でした。
全員が仮面をつけて、すべて赤に身を包んだ、何やら怪しいパーティー……

このパーティーの目的は……
そして、明智と黄金仮面の戦いの結末は……！？
すべての真相はあなたの目でお確かめください。

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初日会見登壇者コメント

明智小五郎 役：小越勇輝

いつものことかもしれませんが、まだあまり初日の実感がわいておらず…これからゲネプロ、本番を行う中で実感がわいていくだろうなと思います。
明智という人は、事件や黄金仮面を追っていく中での探求心や苦難を楽しんでいる人物だと思いますので、自分も気持ちをリンクさせながら挑んでいけたらと思います。

波越警部 役：井阪郁巳

演出の山崎さんをはじめカンパニー全員で最高の準備をしてきました。
波越として、情熱を持って全身全霊で挑んでいます。
声が枯れてもいいくらい常に全力投球で挑みたいと思います！
お客様にこの作品が届くことを楽しみにしています。

小林芳雄 役：佐藤永典

気合い十分、最高の状態で今日を迎えられることを嬉しく思っています。
小越さんとも話しましたが、ぜひたくさんの方にこの作品を観ていただきたいです！
僕も江戸川乱歩作品が大好きなので、この世界観を一人でも多くの方に届けたいと思います。

黄金仮面 役：岡 幸二郎

小学生の頃、図書館に行くと必ず江戸川乱歩のコーナーがあり、まさに今付けている仮面が表紙の黄金仮面の本があって。それを何十年後かに自分が被れることに非常に嬉しさを感じております。
江戸川乱歩の作品が大好きなので、楽しみながら千秋楽まで演じていきたいと思います。
お客さんも観ていてワクワクドキドキしながらカーテンコールを迎えられるんじゃないかと思っております。

演出：山崎 彬

この作品は皆さまご存知の通り、江戸川乱歩が約 100 年前に書いた小説で、舞台としても 13 年前ほどにストレートプレイとして上演されました。
それがこうして巡りあって今回のキャストやスタッフとともに公演ができることを嬉しく思います。
作品としては明智小五郎と黄金仮面の対立がメインとして進みますが、その中で歌やステージングというものがエンターテインメントの要素としてふんだんに盛り込まれています。
キャストたち全員で一つのシーンを色々な形でみせているので、どこを観ても飽きないというのが一番のみどころです。
舞台の魅力のひとつである”自分の好きな部分を選んで観ていられる”ことを、約 2 時間 30 分楽しんでいただけると思いますので、ぜひ多くの人に観ていただきたいです。

明智小五郎と黄金仮面の熾烈な戦いをぜひ劇場で！

ぜひ劇場で二人の戦いの行方を見届けましょう！
チケットをお持ちではない方も、当日引換券の販売もあるので、ぜひお買い求めください。

公演概要

©Nelke Planning co.,ltd.